ライデン大学東京事務所

ライデン大学東京事務所

オランダ国ライデン大学 (1575年設立) は、オランダ最古、ヨーロッパでも最も古い総合大学のひとつであり、欧州研究大学連盟発足時 (2002年) からの加盟大学です。また日本とは、17世紀にまでさかのぼる長い関係があり、ライデン大学で学んだ数多くがオランダ東インド会社に勤務して出島に滞在し、日本についての著作を残しています。またライデン大学が自負することに、世界で初めて日本学科を開設 (1855年) し、かのシーボルトの弟子のヨハン・ヨゼフ・ホフマンを日本語教授としたことがあり、その日本学科は現在も活気にあふれています。西周や津田真道ら幕府派遣留学生もライデン大学に学んでおり、以来今日まで多くの日本人留学生・研究者を迎え入れています。

ライデン大学は主として、日蘭関係史研究で重要な役割を果たした財団法人日蘭学会を通じ、1975年に始まり2011年まで日蘭研究のみならず、日本との間にあらゆる分野の学生・研究者の交流を行う数々のプログラムを実施してきました。

同会の解散にともない、東京都中央区役所のご理解と、オランダ国コーツ財団 (アジアにおけるオランダの影響力に関する史料の調査・保存・公開に取り組む非営利団体) のご支援を得て、日本および日本国内の協定大学との関係維持、現行の研究プログラムの継続、ならびにライデン大学でも重要とされているアジア研究の支援を目的に、2012年3月東京事務所を開設することとなりました。同年11月には事務所の正式な開設とともに国際シンポジウムを実施しています。

主な活動

コーツ財団「戦史叢書」翻訳プロジェクト

The invasion of the Dutch East Indies

『戦史叢書』より、1941年から1945年にわたる、旧オランダ領東インド (現インドネシア) への日本の進攻と占領に関する数巻の英訳刊行を行うものです。

『戦史叢書』は、防衛庁防衛研修所戦史室 (当時) により1966年から1980年にわたり刊行された、第二次世界大戦における日本に関する102巻の戦史資料です。本叢書は、本来主に自衛隊の教育と研究の資料を意図していたこともあり、純粋に戦争の軍事面を中心に詳細に扱っています。そのため大日本帝国陸軍および海軍の作戦行動について無類の見識を与えてくれるものではありますが、今日まで本叢書を研究に活用する外国人研究者はわずかしかおらず、また翻訳も部分的になされているのみとなっています。

コーツ財団は、そのうちの数巻について初の全訳版の刊行を目指しており、第1冊目となる「第3巻 蘭印攻略作戦」は2015年9月に刊行しました。

実行委員会

代表 ヨアン・スネレン・ファン・フォレンホーヴェン (コーツ財団事務局長)
編集人 ウィレム・レメリンク (東アジア史インドネシア史研究者)
実行委員 後藤乾一 (早稲田大学名誉教授)
髙橋久志 (上智大学名誉教授)
戸部良一 (帝京大学教授)
水島治郎 (千葉大学教授)
ペトラ・フルーン (オランダ戦史研究所)
アド・ヘルウェイエル中将 (元オランダ王国陸軍副司令官)

コーツ財団

コーツ財団は、ケース・コーツ (Kees Corts:C.W. Corts 1920-2005) により2003年に設立されたオランダの非営利団体です。同財団の主な活動としては、アジアにおけるオランダの存在 (影響力) 特に17、18世紀オランダ東インド会社文書ならびに第二次大戦の日本によるオランダ領東インド (現インドネシア) 占領とその後に関する史料の調査・保存・公開があります。

ケース・コーツは、1920年、現インドネシア (スマトラ) で開業医を父に生まれ、1939年に同氏の大学進学のため、両親および弟フィリップス (Philippus) とともにオランダ本国へ帰国しました。第二次世界大戦はケース・コーツの人生に深い傷あとを残しました。ケースと弟はオランダのレジスタンス運動に参加していましたが、終戦間際に弟がドイツ軍に捕えられて処刑され、この悲痛な事件に責任を感じたケースは、第二次世界大戦へのこだわりと事実を知りたいとの切羽詰った思いを強めていきました。ケースの言葉を借りれば、この財団の設立は、「歴史の“霧”に霞んだ犠牲者たちを救うため」でした。

これはオランダ本国にとどまらず家族にとって身近であったオランダ領東インド (インドネシア) も含んでゆき、結果として、アジアにオランダが影響力を有していた時代全般、特にオランダ東インド会社の時代へと広がりました。

詳細は、コーツ財団のウェブサイトをご覧ください。: www.cortsfoundation.org